自分で埼玉県の建設業許可を取る

自分で埼玉県の建設業許可を取ることはできますか?というご質問をよく頂きます。答えはYESです。極力、許可申請に対しての費用を安く抑えようというそのお考えは正しいと思います。今回は、ご自身で埼玉県の建設業許可を取る方法をお伝えさせて頂きます。
1.建設業許可とは
そもそも建設業とは
「建設業」については、建設業法第三条で明確に規定されています。簡潔に説明しますと、「建設業」とは、建設工事の完成を請け負う者のことをいいます。そして、建設工事の完成を請け負うことを営もうとするには、元請・下請、法人・個人を問わず、また、その工事が公共工事であるか民間工事であるかを問わず、建設業法第3条に基づき建設業の許可を受けなければなりません。
ただし、「軽微な建設工事」のみを請け負って営業する場合には、必ずしも建設業の許可を受けなくてもよいこととされています。
ここでいう軽微な建設工事とは500万円以下の工事のことを指しています。
500万円以下の工事しか受けない場合は建設業法上、許可を取る必要はないのです。
建設業法第三条の一部抜粋
建設業を営もうとする者は、二以上の都道府県の区域内に営業所(本店又は支店若しくは政令で定めるこれに準ずるものをいう。以下同じ。)を設けて営業をしようとする場合にあつては国土交通大臣の、一の都道府県の区域内にのみ営業所を設けて営業をしようとする場合にあつては当該営業所の所在地を管轄する都道府県知事の許可を受けなければならない。ただし、政令で定める軽微な建設工事のみを請け負うことを営業とする者は、この限りでない。
さて、余談ですが、皆様は日本で建設業許可を取得している業者はどのくらいあると思われますか?
国土交通省の建設業許可業者数調査では、平成31年3月末現在の建設業許可業者数は468,311業者あるそうです。都道府県別の建設業許可業者数は、全国1位が東京都で43,090業者(日本全体の9.2%)あり、埼玉県は全国5位の23,291業者あります。
これだけの業者が建設業許可を取得しているのは何故だと思われますか?それは建設業許可取得には、書類提出等の少しの苦労はありますが、その苦労をおぎなって余りあるメリットがあるからに他なりません。
以下からは建設業許可取得によるメリットをご紹介致します。
2.建設業許可取得のメリットは大きく4つあります
建設業許可を取得することでご自身の会社で得ることができるメリットはたくさんありますが、ここでは大きく4つのメリットをご紹介します。
大きな工事の施工が可能になります
冒頭でご説明したように、建設業許可を取得しない状態で工事をすることができるのは、請負金額が500万円未満までです。
つまり、500万円を超える工事をするためには建設業許可が必要になるということです。
この先、事業拡大を検討されていらっしゃるのであれば、先に建設業許可の取得をしておいた方が良いでしょう。
公共工事への入札に参加するための必須条件
公共工事への入札に参加するためには、競争入札参加資格審査(指名願)の申請をする必要があります。この指名願の申請自体には、建設業の許可を受けていることと、経営事項審査(経審)を受けていることが必須の条件となっています。
もしかすると、「うちのように小さいところは公共工事は関係ないよなぁ」と思われている方もいらっしゃるかもしれません。しかし、必ずしも「事業規模が小さい=公共工事がとれない、無縁」というわけでは決してありません。
元請業者からの信頼UP
元請業者が工事を下請に出す場合、下請業者が建設業の許可を持っているかどうかを必ず確認します。元請業者によっては、建設業の許可のない業者には、下請に出さないという元請業者もあります。
そのため、元請業者から求められたために建設業許可を取得することにしたというお客様が実はもっとも多いです。
では何故、建設業の許可を取得することで信頼がUPするのでしょうか?実は建設業の許可を取得するためには、一定のヒト・モノ・カネの要件をクリアしていることが必要です。
したがって、建設業の許可を取得していることは、その事業者に対して国や都道府県が「この会社には、きちんとしたレベルの技術者がいて、一定の事業資金があります」とお墨付きを与えるのと同じ意味を持つことになります。
※上段で「軽微な建設工事」は、建設業許可は必要はない旨をお伝えしましたが、例えばある内装仕上工事業者さんで戸建ての平均内装仕上工事の価格が200万~300万円前後だとしますと、これは500万円未満ですので「軽微な建設工事」になり、建設業許可がなくても営業が可能です。
ですが、この内装仕上工事業者様は建設業許可票である金看板を取得してこそ一人前の建設業者という想いがあり、内装仕上工事の専門業者でありながら建設業許可を取得されました。
その結果として、今までより信頼のおける業者ということで他の様々な会社から注目を受けるようになり、売上を伸ばすことができました。
このようなメリットを受けることができたのは、一重に一定のヒト・モノ・カネの要件をクリアしていることを一目で分かるようにしていたからでしょう。
融資を受ける際にとても有利
日々、事業を展開していく中で、金融機関から融資を受けることが必要となる場合があります。その際に、建設業の許可を取得していることは、その事業者が一定のレベルにあることの証明となるのです。
したがって、金融機関から建設業者が融資など借入れを受ける際、建設業の許可を取得していることは当然有利にはたらきます。
3.許可には、大臣許可と知事許可の2種類があります
建設業許可には、各事業者が営業所をどこに置くかによって、「国土交通大臣許可」と「都道府県知事許可」の2つがあります。
許可の種類 | 内容 | 例 |
大臣許可 | 2以上の都道府県の区域に営業所を設けて営業しようとする場合 | 東京都内と埼玉県内に営業所を置く場合 |
知事許可 | 1の都道府県の区域内にのみ営業所を設けて営業しようとする場合 | 埼玉県内にのみ営業所を置く場合(複数でも可) |
4.許可には、一般建設業と特定建設業の2種類があります
元請業者の立場で、下請業者に発注する工事の金額が4,000万円以上の場合、特定建設業許可が必要になります。
5.建設業は29業種あります
建設業は、工事の種類に応じて、合計29の業種に分類されています。この29業種の中から許可を取得したい業種を選び、役所(埼玉県庁)に建設業の許可申請を行うことになります。
建設工事の種類 | 建設工事の内容 | 建設工事の例示 | |
1 | 土木一式工事 | 総合的な企画、指導、調整のもとに土木工作物を建設する工事(補修、改造又は解体する工事を含む。以下同じ。) | |
2 | 建築一式工事 | 総合的な企画、指導、調整のもとに建築物を建設する工事 | |
3 | 大工工事 | 木材の加工又は取付けにより工作物を築造し、又は工作物に木製設備を取付ける工事 | 大工工事、型枠工事、造作工事 |
4 | 左官工事 | 工作物に壁土、モルタル、漆くい、プラスター、繊維等をこて塗り、吹付け、又ははり付ける工事 | 左官工事、モルタル工事、モルタル防水工事、吹付け工事、とぎ出し工事、洗い出し工事 |
5 | とび・土工 ・コンクリート工事 | ① 足場の組立て、機械器具・建設資材等の重量物のクレーン 等による運搬配置、鉄骨等の組立て等を行う工事 ② くい打ち、くい抜き及び場所打ぐいを行う工事 ③ 土砂等の掘削、盛上げ、締固め等を行う工事 ④ コンクリートにより工作物を築造する工事 ⑤ その他基礎的ないしは準備的工事 | ① とび工事、ひき工事、足場等仮設工事、重量物のクレーン等による揚重運搬配置工事、鉄骨組立て工事、コンクリートブロック据付け工事 ② くい工事、くい打ち工事、くい抜き工事、場所打ぐい工事 ③ 土工事、掘削工事、根切り工事、発破工事、盛土工事 ④ コンクリート工事、コンクリート打設工事、コンクリート圧送工事、プレストレストコンクリート工事 ⑤ 地すべり防止工事、地盤改良工事、ボーリンググラウト工事、土留め工事、仮締切り工事、吹付け工事、法面保護工事、道路付属物設置工事、屋外広告物設置工事、捨石工事、外構工事、はつり工事、切断穿孔工事、アンカー工事、あと施工アンカー工事、潜水工事 |
6 | 石工事 | 石材(石材に類似のコンクリートブロック及び擬石を含む。)の加工又は積方により工作物を築造し、又は工作物に石材を取付ける工事 | 石積み(張り)工事、コンクリートブロック積み(張り)工事 |
7 | 屋根工事 | 瓦、スレート、金属薄板等により屋根をふく工事 | 屋根ふき工事 |
8 | 電気工事 | 発電設備、変電設備、送配電設備、構内電気設備等を設置する工事 | 発電設備工事、送配電線工事、引込線工事、変電設備工事、構内電気設備(非常用電気設備を含む。)工事、照明設備工事、電車線工事、信号設備工事、ネオン装置工事 |
9 | 管工事 | 冷暖房、冷凍冷蔵、空気調和、給排水、衛生等のための設備を設置し、又は金属製等の管を使用して水、油、ガス、水蒸気等を送配するための設備を設置する工事 | 冷暖房設備工事、冷凍冷蔵設備工事、空気調和設備工事、給排水・給湯設備工事、厨房設備工事、衛生設備工事、浄化槽工事、水洗便所設備工事、ガス管配管工事、ダクト工事、管内更生工事 |
10 | タイル・れんが ・ブロツク工事 | れんが、コンクリートブロック等により工作物を築造し、又は工作物にれんが、コンクリートブロック、タイル等を取付け、又ははり付ける工事 | コンクリートブロック積み(張り)工事、レンガ積み(張り)工事、タイル張り工事、築炉工事、スレート張り工事、サイディング工事 |
11 | 鋼構造物工事 | 形鋼、鋼板等の鋼材の加工又は組立てにより工作物を築造す る工事 | 鉄骨工事、橋梁工事、鉄塔工事、石油、ガス等の貯蔵用タンク設置工事、屋外広告工事、閘門、水門等の門扉設置工事 |
12 | 鉄筋工事 | 棒鋼等の鋼材を加工し、接合し、又は組立てる工事 | 鉄筋加工組立て工事、鉄筋継手工事 |
13 | 舗装工事 | 道路等の地盤面をアスファルト、コンクリート、砂、砂利、砕石等により舗装する工事 | アスファルト舗装工事、コンクリート舗装工事、ブロック舗装工事、路盤築造工事 |
14 | しゆんせつ工事 | 河川、港湾等の水底をしゆんせつする工事 | しゆんせつ工事 |
15 | 板金工事 | 金属薄板等を加工して工作物に取付け、又は工作物に金属製等の付属物を取付ける工事 | 板金加工取付け工事、建築板金工事 |
16 | ガラス工事 | 工作物にガラスを加工して取付ける工事 | ガラス加工取付け工事、ガラスフィルム工事 |
17 | 塗装工事 | 塗料、塗材等を工作物に吹付け、塗付け、又ははり付ける工 事 | 塗装工事、溶射工事、ライニング工事、布張り仕上工事、鋼構造物塗装工事、路面標示工事 |
18 | 防水工事 | アスファルト、モルタル、シーリング材等によつて防水を行う工事 | アスファルト防水工事、モルタル防水工事、シーリング工事、塗膜防水工事、シート防水工事、注入防水工事 |
19 | 内装仕上工事 | 木材、石膏ボード、吸音板、壁紙、たたみ、ビニール床タイル、カーペット、ふすま等を用いて建築物の内装仕上げを行う工事 | インテリア工事、天井仕上工事、壁張り工事、内装間仕切り工事、床仕上工事、たたみ工事、ふすま工事、家具工事、防音工事 |
20 | 機械器具 設置工事 | 機械器具の組立て等により工作物を建設し、又は工作物に機械器具を取付ける工事 | プラント設備工事、運搬機器設置工事、内燃力発電設備工事、集塵機器設置工事、給排気機器設置工事、揚排水機器設置工事、ダム用仮設備工事、遊技施設設置工事、舞台装置設置工事、サイロ設置工事、立体駐車設備工事 |
21 | 熱絶縁工事 | 工作物又は工作物の設備を熱絶縁する工事 | 冷暖房設備、冷凍冷蔵設備、動力設備又は燃料工業、化学工業等の設備の熱絶縁工事、ウレタン吹付け断熱工事 |
22 | 電気通信工事 | 有線電気通信設備、無線電気通信設備、ネットワーク設備、情報設備、放送機械設備等の電気通信設備を設置する工事 | 有線電気通信設備工事、無線電気通信設備工事、データ通信設備工事、情報処理設備工事、情報収集設備工事、情報表示設備工事、放送機械設備工事、TV電波障害防除設備工事 |
23 | 造園工事 | 整地、樹木の植栽、景石のすえ付け等により庭園、公園、緑地等の苑地を築造し、道路、建築物の屋上等を緑化し、又は植生を復元する工事 | 植栽工事、地被工事、景石工事、地ごしらえ工事、公園設備工事、広場工事、園路工事、水景工事、屋上等緑化工事、緑地育成工事 |
24 | さく井工事 | さく井機械等を用いてさく孔、さく井を行う工事又はこれらの工事に伴う揚水設備設置等を行う工事 | さく井工事、観測井工事、還元井工事、温泉掘削工事、井戸築造工事、さく孔工事、石油掘削工事、天然ガス掘削工事、揚水設備工事 |
25 | 建具工事 | 工作物に木製又は金属製の建具等を取付ける工事 | 金属製建具取付け工事、サッシ取付け工事、金属製カーテンウォール取付け工事、シャッター取付け工事、自動ドアー取付け工事、木製建具取付け工事、ふすま工事 |
26 | 水道施設工事 | 上水道、工業用水道等のための取水、浄水、配水等の施設を築造する工事又は公共下水道若しくは流域下水道の処理設備を設置する工事 | 取水施設工事、浄水施設工事、配水施設工事、下水処理設備工事 |
27 | 消防施設工事 | 火災警報設備、消火設備、避難設備若しくは消火活動に必要な設備を設置し、又は工作物に取付ける工事 | 屋内消火栓設置工事、スプリンクラー設置工事、水噴霧、泡、不燃性ガス、蒸発性液体又は粉末による消火設備工事、屋外消火栓設置工事、動力消防ポンプ設置工事、火災報知設備工事、漏電火災警報器設置工事、非常警報設備工事、金属製避難はしご、救助袋、緩降機、避難橋又は排煙設備の設置工事 |
28 | 清掃施設工事 | し尿処理施設又はごみ処理施設を設置する工事 | ごみ処理施設工事、し尿処理施設工事 |
29 | 解体工事 | 工作物の解体を行う工事 | 工作物解体工事 |
上記の表ですが、従来は28業種でしたが、建設業法の改正(平成28年6月1日行)により、建設業許可に係る業種区分に解体工事業が新設され、現在は29業種となっております。
解体工事業は、従来の、とび・土工工事業に含まれていた工作物解体工事を独立させた業種です。そのため次のとおりの経過措置(一種のおまけの措置)があります。
(1) 平成28年6月1日時点で、とび・土工工事業の許可を受けている建設業者について
平成28年6月1日時点でとび・土工工事業の許可を受けて解体工事業を営んでいる建設業者は、令和元年5月31日までは、解体工事業の許可を受けなくても、引き続き解体工事業を営むことが可能となっています。
(2) 解体工事業の許可の要件について
① 経営業務の管理責任者(建設業法第七条第一号)
平成28年5月31日までのとび・土工工事業に係る経営業務の管理責任者としての経験は、解体工事業に係る経営業務の管理責任者の経験とみなされます。
② 専任の技術者(建設業法第七条第二号)
平成 28 年 6 月 1 日時点で現にとび・土工工事業の専任技術者の要件を満たしている者は、令和 3 年3 月 31 日までの間は、解体工事業の専任技術者とみなされます。
余談ですが、平成31年3月末現在における業種別許可の総数は1,564,668業者あります。そして建設業許可を取得している業者の数が多い業者は、
①とび・土工工事業 168,691業者(全体の36.0%)
②建設工事業 151,188業者(全体の32.3%)
③土木工事業 130,323業者(全体の27.8%)
となっています。
また、前年同月に比べて取得業者数が増加した許可業種は25業種にもおよび、増加数は解体工事業が最も高く13,851業者で、以下、とび・土工工事業が2,461業者、塗装工事業が2,310業者と続いています。
解体工事業許可業者が増加した要因としては、上述しました通り、平成28年6月1日時点で、とび・土工工事業の許可を受けている者で、解体工事業に該当する事業を営んでいる場合、令和元年5月31日までの間に限り、解体工事業の許可を受けずとも当該事業を営むことができるとされておりましたので、その期限が迫ってきていたからだと推測されます。
6.建設業許可の要件とは
建設業許可を取得するためには、以下の5つの要件があり、その全てをクリアする必要があります。
・経営業務の管理責任者としての経験を有する者がいること
・専任の技術者がいること
・請負契約に関して誠実性があること
・請負契約を履行するに足る財産的基礎又は金銭的信用があること
・欠格要件に該当しないこと
の5つとなります。それでは5つの要件をそれぞれ説明しましょう。
経営業務の管理責任者としての経験を有する者がいること
まず、1つ目の要件は、営業所(本店)に常勤する経営業務の管理責任者=経営業務管理責任者が1人以上必要となります。
そしてこの経営業務管理責任者は誰でもなれるわけではありません。
経営業務管理責任者は、まさしく経営を管理する責任者のことをいいます。そのため、責任ある立場を経験した人でなければなることはできません。。
建設業許可を受けようとする業種に関して、会社の役員(取締役)、個人事業主または令3条の使用人(建設業許可業者の支店長)として『5年以上』の経験があることが求められています。
ただし、許可を受けようとする業種「以外」の経験しかない場合や、複数の業種で許可を受けようとする場合には、『6年以上』の経験が必要となります。
例えば、「内装仕上工事業」の許可を取る場合を考えてみますと、
・今までに、内装工事を法人役員もしくは個人事業主として行っていれば「5年」の経験が必要です。
・管工事の経験しかなければ「6年」の経験が必要となります。
この要件を満たせなければ、残念ながら許可申請そのものができません。結構キツイ要件となっているのです。
とても難しい要件ですので、色々な角度から説明しますと、
内装仕上工事業の許可を取得するためには、内装仕上工事業の請負実績がある会社で5年以上取締役または執行役員を経験した方が必要
ということになります。
ここで、取締役または執行役員という言葉が出てきました。
取締役としての経験の方が、建設業許可の手続き上は申請準備や申請後の役所(埼玉県庁)での審査がスムーズに進みます。
なぜなら、登記簿謄本に過去の取締役の履歴がすべて記載されているため、経営経験が明確になるからです。
執行役員は、建設業許可の取扱いとしては、取締役会の決議を経て取締役会または代表取締役から具体的な権限委譲を受けた者という説明がされております。ですので、執行役員の場合は、比較的規模の大きい会社での経験が想定されています。ここはご注意頂きたい点になります。
よくご質問を受けるケースですと、自分は以前の職場で取締役ではなかったが、社長から全部任されていて事実上執行役員みたいなものだから、経営経験があると思う。というご相談を受けますが、そこで経験された事業者の規模によりますが、従業員10名程規模の会社での経験ですと、残念ながら要件的にはかなり厳しくなります。。
また仮に、ご自身の会社で、そのような経験のある人間はいないが、建設業許可をすぐに取得したいとなった場合、外部から要件を満たす人を迎え入れるしかありませんが、ご自身の会社で経営業務管理責任者を外部から迎え入れようとした場合、その人は常勤であることが求められますので、他の会社の取締役等と兼任することができません。。
建設業許可申請には、この経営業務管理責任者の常勤性を証明するために、社会保険等の加入状況資料の提出も必要となっているため、ごまかしがきかないのです。
建設業許可を取得する際に、経験ある人の名前を借りることができないか?というご質問をよく頂くのですが、それは名義貸しとなり、当然、やってはいけない行為となってしまいます。。
そのためご自身を含めて、誰が経営業務管理責任者になれるのか?経営業務管理責任者に該当する人はいるのか?を、建設業許可を申請する前にきちんと確認しておきましょう。
ちなみに、経営業務管理責任者は略して「経管(けいかん)」と呼ばれることが多いです。
専任の技術者がいること
2つ目の要件は、営業所(本店等)に常勤する専任の技術者=専任技術者が必要となります。
専任技術者は建設業の許可を取るために経営業務管理責任者と同様、最低1人以上必ず用意しなければならない人になります。
ただし、経営業務管理責任者と違い、必ずしも役員である必要はありません。もちろん通常の従業員でも問題ありません。
ご注意頂きたいのは、前述のとおり専任技術者にも常勤性が求められますので、
他の会社の専任技術者との兼任はすることができません。。
この点は経営業務管理責任者と同様で名義貸しはダメです。
常勤性の他の専任技術者としての要件は、工事を行うための技術者になりますので、一定の資格又は10年以上の実務経験が必要となります。
一定の資格又は10年以上の実務経験とは例えば、
・国家資格を持っている場合は国家資格の証明書
・実務経験がある場合は、過去に行った建設工事の契約書、注文書、請求書、売上の入金が確認ができる書類等
で証明することになります。
つまり、実務経験が仮にあったとしてもそれを証明する書類の提出が必要で、書類がが揃わなければ、残念ながら要件を満たすことはできないのです。
国家資格を持っている場合はその証明書だけを提出すればよいのですが、もし、実務経験をもって専任技術者になろうとする場合は、この10年以上の実務経験を証明することは結構難しいことになります。
目に見えて分かりやすいものではないため、あらゆる書類をかき集めてなんとか10年以上の実務経験を証明する。
なおかつ、その実務経験を積んだのがご自身の会社ではなく他社で経験したとなると、その他社にも色々、証明してもらわなければなりません。
そのため、専任技術者の10年以上の実務経験の証明には、大変時間がかかります。実はこの専任技術者の10年以上の実務経験が一番難航するかもしれません。
そのため、もし、ご自身の会社に専任技術者がいないので、要件を満たす人を外部から雇おうと考える場合は、十分気をつけて下さい。
せっかく雇い入れたのにも関わらず、10年以上の実務経験を証明する書類を持っていないという事も十分にあり得ます。
専任技術者は経営業務管理責任者よりもある意味、重要なポストになりますので、建設業許可を申請する前に確認書類が揃うのかどうかは必ず確認しましょう。
ちなみに、専任技術者は略して「専技(せんぎ)」と呼ばれることが多いです。
請負契約に関して誠実性があること
3つ目の要件は、建設業許可を受けようとする者が法人である場合、その法人、役員等(取締役、相談役、顧問等)、支店又は営業所の代表が請負契約に関して、不正又は不誠実な行為をするおそれがないことが必要となります。
過去に不正な行為や不誠実な行為がなかったかどうかについて当然審査されることになります。
・不正な行為とは、請負契約の締結又は履行に際して、詐欺、脅迫、横領など法律に違反する行為の事を指します。
・不誠実な行為とは、工事内容、工期などについて請負契約に違反する行為の事を指します。
請負契約を履行するに足る財産的基礎又は金銭的信用があること
4つ目の要件は、建設業許可を受けようとする会社が、請負契約を履行するに足りる財産的基礎または金銭的信用を有していることが必要となります。これは財産要件と呼ばれたりします。
財産要件は、一般建設業許可と特定建設業許可でそれぞれ異なります。
一般建設業の要件 | 特定建設業の要件 |
次の3つの内いずれかに該当すること ①自己資本の額が500万円以上 ②500万円以上の資金を調達する能力を有する ③許可申請の直前過去5年間許可を受けて継続して建設業を営業した実績を有する | 次の3つ全てに該当すること ①欠損の額が資本金の額の20パーセントを超えていない ②流動比率が75パーセント以上 ③資本金の額が2,000万円以上であり、かつ、自己資本の額が4,000万円以上 |
・自己資本の額が500万円以上とは、貸借対照表の純資産額の事をいいます。
・500万円以上の資金を調達する能力を有するとは、会社に500万円以上の預金残高がある状態の事を言い、金融機関から発行された「預金残高証明書」で証明することとなります。
ここでは、「カネ」に関する要件となります。
建設業の許可を取るには、会社はある程度の資金力を持っておく必要があります。
なぜならそれは、許可が必要な建設業は規模の大きな請負金額500万円以上の工事を行うからです。
そのため、発注者である顧客を保護するためにも、ある程度の財力が必要とされています。
発注者である顧客からすれば、もし、工事中に受注した建設会社が潰れてしまって工事が止まったり、工事ができなくなってしまったら、厳しい状況となってしまいます。
それを回避するために、万が一の時に、ある程度のお金を用意できる能力が建設業許可業者には求められているのです。
消費者保護の観点から被害者が出たときに、どれだけ手厚く守れるかということがきちんと定められています。
欠格要件に該当しないこと
5つ目の要件は、以下の建設業法第八条に定められている欠格要件に該当しないことが必要です。いずれか1つでも該当する場合は、建設業許可を受けることができません。
建設業法第八条の一部抜粋
①許可申請書又はその添付書類中に重要な事項について虚偽の記載があり、又は重要な事実の記載が欠けているとき
②建設業許可を受けようとする法人、その法人の役員等、法定代理人、支店又は営業所の代表者が、次の要件に該当しているとき
ア 精神の機能の障害により建設業を適正に営むに当たって必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができない者又は破産者で復権を得ない者
イ 不正の手段により許可を受けたこと等により、その許可を取り消され、その取消しの日から5年を経過しない者
ウ 許可の取消しを免れるために廃業の届出をしてから5年を経過しない者
エ 建設工事を適切に施工しなかったために公衆に危害を及ぼしたとき、あるいは危害を及ぼすおそれが大であるとき、又は請負契約に関し不誠実な行為をしたこと等により営業の停止を命ぜられ、その停止期間が経過しない者
オ 禁固以上の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
カ 次の法律に違反し、又は罪を犯したことにより罰金刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
1.建設業法
2.建築基準法、宅地造成等規制法、都市計画法、景観法、労働基準法、
職業安定法、労働者派遣法の規定で政令で定めるもの
3.暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律
4.刑法第204条(傷害)、第206条(現場助勢)、第208条(暴行)
第208条の2(凶器準備集合及び結集)、第222条(脅迫)又は
第247条(背任)の罪
5.暴力行為等処罰に関する法律の罪
キ 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第2条第6号に規定する暴力団員、又は同号に規定する暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者(以下暴力団員等という。)
ク 暴力団員等が、その事業活動を支配する者
7.建設業許可の実際の手続の流れ
1.建設業許可の要件を満たしているかチェックして下さい。
↓
2.建設業許可申請書やその他の添付書類を作成します。
↓
3.役所(埼玉県庁)へ申請書類を提出します。
↓
4.役所(埼玉県庁)にて書類が受理されてから、許可証がご自身のお手元に届くまでには約1ヶ月程度(知事許可)かかります。
↓
5.役所からご自身の手元へ建設業許可証が郵送されます。
埼玉県の場合は、黄色い封筒で届きます。
8.建設業許可申請に必要な書類
ここでは上段に記載した、建設業許可の実際の手続の流れに合わせて説明します。また、実際に提出が必要となる書類を解説します。
建設業許可の要件を満たしているかチェックして下さい
まず、今までご説明しましたように、建設業許可が可能かどうかのチェックをして下さい。
しかしながら、建設業許可の要件は非常に複雑ですので、もし何度も要件をみてもわからない、という方がいらっしゃいました場合は、宮野敦行政書士事務所にお気軽にご連絡ください。建設業許可を行うにあたり建設業許可要件の調査を承っております。
建設業許可申請書やその他の添付書類を作成します
建設業許可の申請書類を作成し、その裏付けとなる確認資料等、多くの添付書類を用意します。建設業許可申請の書類の様式は、全国で一律に定められています。様式は約30種ありますが、ここではその全ての様式の書き方を、その難易度と合わせて、完全解説します。
まず、申請書の見方と書き方ですが、法で定められている「様式」は、様式第一号から様式第二十の四号まであるのですが、都道府県により独自の様式を定めている場合があります。
これらの独自の様式も合わせて提出しないと受付してくれない場合がありますので、必ず申請先の都道府県の担当窓口などで発行してる申請の手引きなどを確認してみてください。
また、役所に提出するそれらの書類は、書き方が細かく決められており、慣れていないと非常に難しく感じてしまいますが、ご自身なりの自由な書き方をしても受付してもらえません。。
建設業許可を取得するためにここは割り切って、決められた通りの書き方をすることが非常に大切です。
なお、建設業許可の申請書は、建設業業法上では、閲覧可能な資料ということになっています。
プライバシーに関する情報などは、都道府県等ごとの決まりにより閲覧できない情報になる場合もありますが、ご自身が記載した申請書の情報は基本的に全て、見たい人が正しい手続きをとって見ようと思えば誰でも見ることができるもの。ということにご注意ください。
これは、閲覧させない方法はないのです。。絶対に見られたくないという方は、残念ながら建設業許可の取得を諦めるしかありません。。
※尚、様式第五号はありませんので、ご注意下さい。
以上、申請書の書き方を完全解説しましたが、実際には、やってみないとよく分からない部分が結構あると思います。実際に各種書類を作成してみると、書き方や添付書類等の不備で窓口審査の段階で受付してもらえず返される場合も多々あります。最初に提出に行ってから受付してもらうまで半年かかったというお話もよくお聞きする話しです。
また、建設業許可にはとても優秀な許可とギリギリセーフの許可、というものはありません。建設業許可の申請が受付されて、審査を経て建設業許可証が交付されれば、すべて同じ扱いです。これの意味するところは、建設業許可を取得できるように要件をクリアしていることを申請書面上で明らかにすれば良く、余分な書類を大量に提出したり、役所の申請窓口で担当官と直談判や交渉などするのは、ほとんど意味をなさないということです。
私も度々、窓口で大声を出している方などを見かけることがありますが、大声を出しても必要な書類が整わなければ申請できません。逆に言えば、要点を押さえた申請書にさえなっていれば、何も交渉することもなく許可がおります。要点を押さえた必要最低限の申請書を提出するようにできるのが重要になります。
上記の様式と合わせて、必要となる添付書類、確認資料も用意します。
主な添付書類は以下の書類になります。
・商業登記簿謄本又は履歴事項全部証明書 ※直近3か月以内
・納税証明書
・法人設立届の控え
・500万円以上の残高証明書 ※財務諸表で自己資本が500万円未満の場合必須
・住民票の写し
・登記されていないことの証明書
・身分証明書
・定款の写し
役所(埼玉県庁)へ申請書類を提出します
作成した全ての様式と確認資料を役所(埼玉県庁)へ提出します。
役所(埼玉県庁)にて書類が受理されてから、許可証がご自身のお手元に届くまでには約1ヶ月程度(知事許可)かかります
ご自身で提出した書類を役所(埼玉県庁)が受理してから、役所(埼玉県庁)での審査に入ります。
書類が受理されてから、建設業許可証がご自身のお手元に届くまでには、どうしても約1ヶ月程度(知事許可)かかります。余裕を持って提出されることをおすすめ致します。
役所からご自身の手元へ建設業許可証が郵送されます
おめでとうございます。無事に建設業許可がおりますと、役所(埼玉県庁)からご自身のお手元に建設業許可証が郵送されます。埼玉県の場合は、黄色い封筒で届きます。
9.建設業許可票の設置
建設業許可票とは
はれて建設業の許可を受けた場合、そのことを第三者に証明するものが建設業許可票になります。その店舗・現場ごとの見やすい場所に建設業許可票を掲示する必要があります。材質には定めはありませんが、記載事項等に注意してご自身で用意することになります。
この建設業許可票は、建設業の許可を受けた際に交付されるものではないため、ご自身で準備しなければなりません。
発注者からしてみますと、実際にあなたの会社が建設業許可を取得しているかどうか確認するのは容易ではありませんので、建設業許可票を誰でも見える場所に掲示しなければならないこととしています。
建設業許可票に記載すべき内容
建設業許可票に記載すべき内容は、法律で定められています。
ご自身の会社に掲示する建設業許可票の記載する内容は以下となります。
(1)一般建設業または特定建設業の別
(2)許可年月日
(3)許可番号及び許可を受けた建設業
(4)商号または名称
(5)代表者の氏名
10.建設業許可取得後の手続き
無事に建設業許可を取得して営業を開始したあとも法律で定められている手続きがあります。大きくは建設業の許可取得後の手続きには、毎年行うものと、5年ごとに行うものがあります。
くれぐれもご注意頂きたいのは、この手続きを怠っていると許可の更新手続きが行えないという事になってしまうことです。
許可が失効するとご自身の会社の営業上重大な影響が生じます。建設業許可取得後に必要な手続きをしっかり確認して、もれなく行いましょう。
年に一度の決算報告が必要です
決算報告とは、事業年度終了後にどんな工事をしてきたか、財務状況がどの様になっているかを報告することです。
この決算報告の提出期限は、毎事業年度終了後、4ヶ月以内とされているので、税務申告が終わった後には、忘れずに報告するようにしましょう。
※決算報告は公共工事の入札を行う際必要となる、経営事項審査(経審)を受ける際にも重要な報告となります。
建設業許可を取得した会社が提出する主な書類は以下のようなものになります。については、下記の通りの提出書類一式が必要です。
1. 変更届出書
2. 工事経歴書(様式第二号)
3. 直前3年の各事業年度の工事施工金額(様式第三号)
4. 財務諸表 貸借対照表(様式第十五号)
5. 財務諸表 損益計算書・完成工事原価報告書(様式第十六号)
5. 財務諸表 株主資本等変動計算書(様式第十七号)
7. 財務諸表 注記表(様式第十七号の二)
8. 財務諸表 附属明細表(様式第十七号の三)
9. 事業報告
10. 法人事業税納税証明書
ほとんどの書類は新規で建設業を取得した際に揃えるべき書類ではありますが、法律で定められているため、毎年提出する必要があることを覚えておいて下さい。
5年に一度の更新手続きが必要です
建設業許可には、有効期間があります。有効期間は、建設業許可を取得した日から5年間です。
この期間を満了すると許可は失効してしまいますので、期限の30日前までに更新申請の手続きを行う必要があります。この手続きを行わない場合、許可は更新されませんので、絶対に忘れてはいけません。
提出書類自体は、新規申請の際と比べて一部省略できます。やはり新規で建設業の許可を取る際の方が書類は多いのですが、それでも更新申請はキチンと行う必要があります。
当然ではありますが、更新申請の際にも、基本的には新規で建設業許可申請を行った当初と同様の要件が求められます。法令改正等によって要件が追加されたような場合にも対応しなければならないので、法令改正時には要注意です。
11.建設業許可申請でのよくある質問
自分で建設業許可を取得すればお金はかからないですよね?
ご自身で建設業許可申請を行うことにより、行政書士への報酬を支払うことはなくてすみますが、法定費用として、都道府県に対して支払う額の9万円が必ず発生します。
知事許可を取得した場合、取得した都道府県でしか工事を請負うことができないのですか?
いいえ。他の都道府県でも工事をすることが可能です。ご安心下さい。
現場現場の場所は関係ありませんので、知事許可の事業者でも、他の都道府県において工事を施工することが可能です。
例えば埼玉県で知事許可を取得した場合ですと、埼玉県の営業所で東京都の工事を受注することは、知事許可で可能です。
当初の社長が亡くなった場合、その息子が事業承継することはできますか?
事業主に準ずる地位に6年以上いた配偶者、子供に事業を承継することができます。そして完成工事高、営業年数、許可番号を引き継ぐことが可能です。
しかしながら、建設業許可そのものの承継はできないため、手続上、事業承継者の名前での新規申請が必要となります。
直前3年の各事業年度における工事施工金額(様式第三号)は直前3期でなく、どうして直前3年なのですか?
直前3年の各事業年度における工事施工金額(様式第三号)様式には「事業年度」「注文者の区分」「許可に係る建設工事の施工金額」を記載することになっています。これらの記載は経営事項審査における「工事種類別完成工事高」の2年平均、3年平均の数値を確認するために36ケ月=3年の記載としたものであり、経営事項審査と関連させるために、直前3年としたものとなっています。
資本金300万円で新規に設立をした会社です。まだ決算をむかえていません。建設業許可を取得できますか?
いいえ。それだけでは建設業許可を取得できません。
資本金を200万円増資をした上で決算を確定させるか、500万円以上の資金調達能力を証明する必要があります。
たまたま現場に配置できる技術者がいなかった場合、専任技術者を現場技術者として配置することはできますか?
営業所の専任技術者は原則として現場に配置することはできません。
外国人を採用しても問題ありませんか?
はい。全く問題ありません。
今まで日本では単純労働を外国人には認めてはいませんでした。しかし、単純労働に近い労働であっても外国人にビザの枠を広げないと世の中が回らなくなるとの見解から、2019年4月から新しい在留資格である特定技能が設けられました。その中でも最優先で盛り込まれた業種が建設業や宿泊業等です。
宮野敦行政書士事務所は、東京出入国在留管理局に届出済の申請取次行政書士でもありますので、外国人の採用についてもお気軽にご連絡ください。
建設工事現場における管理業務に従事する技術職員の給料手当は、完成工事原価報告書の労務費に計上するのでしょうか?
いいえ。完成工事原価報告書の労務費ではなく、人件費に計上して下さい。